最初のご来店は、お婆様ご自身が若い頃あつらえた朱色の道行コートと羽織の染め替えのご相談でした。

染め替えなどお話を進めていく中で、秋には双子のお孫さんの三歳のお祝いを予定しているというお話に。

それなら！！

お羽織の色の愛らしさ・柔らかさは被布コートにぴったりなのでは。
三歳の寸法なら道行コートから2枚の着物がつくれるのでは。

ご自身が若い頃愛用したお着物が世代を超えて小さな祝い着に生まれ変わったら、それも二つお揃いで。 衿の形は？被布(ひふ)の房(ふさ)は何色に？余り布で巾着(きんちゃく)も作って・・・

お揃いの祝い着に袖を通したちいさなお姫様達。

カメラの前でちょっと緊張気味の姫君と片(かた)やお茶目に笑顔を振り撒く姫君。

集まった人も思わず目を細めます。

何よりも嬉しかったのはそんなご家族を見つめるおばあちゃまの包み込むような優しい笑顔を拝見できたこと。

目に見えない大切な絆をつなぐお手伝いができたらとてもしあわせです。

かくして、おばあちゃまの無償の愛は形を替えて11月お祝いの日を迎えることになりました。

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